治療費の事を気にしていたようだ。


老眼鏡がどうにも合わなくなって、免許の更新をするために買った。5万円もしたが、どうしても必要だったのだ。
テレビを買った。9800円くらいの安いやつだ。
CDがたくさんあるが、全部百円ショップで買ったから安かった。


いちいち「安かった」「必要だった」を強調する。こんな事を言ったことは無なかったのに。

小倉の伯母にも相当な額を融通してもらっていたようで、申し訳なく思っていたのだろう。
今になって思い起こして、なぜそのときに気づいて安心させてあげられなかったのだろう、と後悔と自責の念におそわれる。
金の事なんかどうでもいい、病気を治す事が一番大事だと、なぜ言ってあげられなかったのか。。
僕も兄も母も、もっともっと出来る事があったはずだ。
あのとき、ああしていれば、こうしてあげていれば、こう言ってあげていれば、本人も治療する意欲を出していてくれたかもしれない。
母が反対しようが何しようが、僕が実家に帰って家の事をしていれば、少しは体と心を休める事が出来たかもしれない。
解決方法はいくらでもあったはずだ。